今年も生らっきょうの収穫が始まります。

5月も中旬になると、鳥取の砂丘周辺は慌ただしくなります。
らっきょうの収穫に向けて、一気に活気づくからです。今年も、らっきょうの季節がやってきました。

土付きの生らっきょうが店頭に並び始める5月。
この時期の生らっきょうは、身が引き締まってシャキシャキと歯応えが心地いい旬の野菜。
雑誌の特集や、料理番組でも季節の手しごととして、紹介されています。

この時期だけの採れたてのらっきょうを漬けることで、一年中みずみずしい味を楽しむことができます。

鳥取らっきょうの産地である砂丘の砂地には、保水力がありません。
長い年月をかけて砂が舞い上がって丘になっている土地なので、畑の下は砂の層が何十メートルも続き、いくら肥料をやっても雨が降れば下方に流れ込んでしまいます。
さらに冬の日本海からの厳しい風雪による温暖差の大きい環境で育つらっきょう。この過酷な土地だからこそ、らっきょうはゆっくり成長するので、その一皮ずつが薄くなるため、きめが細かく引締まったらっきょうに育ちます。

また、土中の栄養が豊富だと玉ねぎのような飴色になるのが通常ですが、砂丘地のような地力の低い土壌では色が白くなります。この眩しい「色白」も、砂丘らっきょうの魅力の一つです。

5月中旬の収穫期になると、砂丘周辺ではコンテナたっぷりに収穫されたらっきょうを積んだトラックがあちらこちらに行き来しています。そのらっきょうは、「切り子」さんと呼ばれる、らっきょうの根を切る専門部隊のところへ運ばれていきます。

この時期、鳥取市内では畑と切り子さんのところをひっきりなしに軽トラが行き来してしており、まさに季節の風物詩とも言える光景です。

 

この道何十年ものベテランの切り子さんが、手作業でテンポよくらっきょうを切っていく様は芸術です。通常の包丁の使い方ではなく、包丁を固定して、らっきょうの根を押すようにして切っていくので、初めてみる方はみな驚かれます。
根切り専用も機械もあるのですが、機械よりベテランの切り子さんの方が圧倒的に早いという、。まさに神業です。

この工程を経て、ようやく見慣れたらっきょうの形になるのです。

 

 

漬物は、やはり旬のものを収穫してすぐに加工するのが美味しいものです。
らっきょうを自分で漬けるには皮を剥いたり、下処理などの手間がかかりますが、この時期ならではの手しごとをぜひお楽しみください。

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