漬けもの屋が伝える、ご自宅での梅干しの漬け方
準備するもの
- 黄色く熟した梅 1㎏
- 塩180g(梅に対して18%)
- 赤しそ200g(お好みで)
- 漬け込む容器ホウロウ・ガラス・陶器の容器。酸に弱いプラスチ ックや金属の容器は避けます。梅の約1.8倍の容量が必要です。
- 重石梅と同じか2倍ほどの重量が必要です。漬け物専用の重石もありますが、ご家庭であれば2Lのペットボトルに水を入れたもので代用できます。
- 落し蓋平皿などで代用できます
- ザル天日干し用の平ザル(なければお盆などでも)
梅干し作りの流れ
梅干しは他の梅しごとと異なり、約1か月ほどかけて完成させるため、工程が分かれているため、時間がかかります。
梅の下処理・塩漬け:6月中旬〜下旬頃
↓ 1週間
赤しそを加える:6月下旬まで〜7月上旬頃
↓ 2週間
3日間の天日干し:7月中旬〜下旬頃の晴天が続く日
↓ 3日以上
梅の下処理・塩漬け(6月中旬〜6月下旬頃)
梅は6月中旬頃から出回る「熟した黄色い梅」を使用します。 梅は熟すと全体に黄みがかり、梅の芳醇な香りが出てきます。もし購入した梅が少し緑がある場合は、1〜2日ほど常温においておくと追熟できます。
梅についているヘタを1つずつ取り除く作業を行います。熟した梅は柔らかいのでやさしく持ってください。
ボウルなどに移してたっぷりの水でやさしく梅を洗います。
保存の際に水気は厳禁なので梅を洗い終わった後は、きれいな布巾を使って1個ずつ梅の水気をふき取ります。 ヘタの部分にも水がたまるので水気を取ります。拭き終わった梅はバットやざるに移します。水分があるとカビの原因になるので、ふきんが濡れてきたら新しいものに替えながら、拭いてください。
容器の底に塩を入れ、その上に梅を隙間を作らないように入れていきます。梅と塩を交互に入れて、最後に塩をのせます。 最後に塩が多めかけれるように調整してくださいね。上にいくほど多めに入れると、塩が底にたまることなく、全体にまわります。
落し蓋をして、梅の上に重し(梅の重量の2倍)をのせます。重しは市販の漬物用の重し以外にも、水の入ったペットボトルがお手軽ですが、容器の大きさに合わせてご準備くださいね。 ラップか新聞紙でホコリが入らないように全体を覆ってあげましょう。
梅から水分(梅酢といいます)が出てきて、梅がしっかり漬かるまで、冷暗所で保管します。3~4日が目安ですが、梅雨時期は気温と湿度管理が難しいので、カビ対策になります。 もし、梅酢が上がってこなかったら、重しを重くして様子を見てくださいね。重さがかかると梅酢が出やすくなります。
お好みで梅しそを加える(6月下旬まで〜7月上旬頃)
梅酢が上がってきたら重しを梅の重量の1/2〜2/3くらいまで軽くします。 下漬けした保存容器の上に赤しそを広げ入れます。赤しそをほぐしながら、梅酢と赤しそから色が移るよう、容器全体をやさしく動かしてなじませます。赤しそは市販のものを利用されても良いかと思います。 ※赤い色にしたくない場合は、この工程を省きます。
あとは再び梅全体が梅酢にしっかり浸かるくらいの重石をのせ、このまま2週間ほど冷暗所で保管しましょう。 梅雨が明けるのを待ちます。
3日間の天日干し(7月中旬〜下旬頃の晴天が続く日)
梅雨が明けたら、晴天が続く日をねらって、ザルに広げて干します。 この時、梅干しは重しで形が平べったくなっているものが多いと思うので、形をまるく整えながら置いてあげると、きれいに仕上がります。 天日干ししなくても、実は食べられるのですが、太陽の光にさらすことで殺菌されて梅の中にある水分が飛び、保存性も高くなります。果肉にも粘度が出て独特の食感が生まれ、味も深みが出て、色もきれいに仕上がります。
3日ほど、天日干しします。晴天の続く日を選びましょう。 ザルなどに並べて、この間は1日1回は上下の向きを変えてあげてください。 可能であれば、1日目と2日目は、朝出して、夜は家の中へ入れます。3日目は朝出して翌朝までおいて、夜露に当てると良いですが、3日とも日の当たる窓際でも大丈夫です。 平ザルがなければ、バットの中に網を敷いて、網の上にキッチンペーパーでも代用できます。ご自身の環境に応じて、干し方は試してみてください。
天日干しした後は、清潔な容器に入れて、蓋をしたら常温保存できます。 干したものをそのまま入れても良いし、梅酢をくぐらせて保存しても良し、もとの梅酢に漬けて保存しても良いです。梅酢を使う際は、梅酢も天日干しの要領で太陽にあてると殺菌効果があります。
梅酢につけると、塩気は増しますが、やわらかい梅干しに仕上がります。 梅干しはすぐでも食べることができますが、ともに3ヶ月後くらいから塩がなじんでより美味しくなってきますし、1年おくと塩味と酸味がなじんでまろやかになります。 密封できるガラス瓶などに入れ、日の当たらない常温保存で数年にわたり長期保存が可能です。
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